Honduras

Montecillos

世界第4位のコーヒー輸出国という地位にありながら、ホンジュラスはスペシャルティコーヒーの世界ではあまり目立たない存在です。

ですが、私たちの目から見ると、この小さな国ほどコーヒーを通して新しい物語を描く可能性に満ちた場所は、アメリカ大陸の中でも他にありません。

我々のホンジュラスでの活動は、ラ・パス県とコマヤグア県の境にまたがるモンテシージョス山脈周辺の小規模生産者コミュニティを中心に行ってきました。

ここには、長年にわたりチェリーのまま地元の市場にコーヒーを販売してきた、何世代にもわたる小規模農家の方々が暮らしています。

そして、彼らがスペシャルティコーヒーの世界へと一歩踏み出す、その挑戦を私たちは間近で支え、共に歩んできました。

その成果は本当に素晴らしいものとなったのです。

"History Doesn't Happen, It Is Made" ───歴史は自然に積み重なるものではなく、作られていくものである。

Honduras における Semilla の活動の物語は、アントニオ・ラミレスから始まります。

1950年にセルグアパで生まれた彼は、この地域におけるまさに「コーヒーの父」です。

彼が生まれた当時、標高1800メートルに位置するセルグアパは、コマヤグアの山々の急峻で緑豊かな斜面に点在する、ほんのわずかな小屋(カシータ)があるだけの土地でした。

20世紀後半にかけて、この地域の主要な経済は豆とトウモロコシであり、住民たちは極めて孤立しており、最寄りの都市ラ・パスやコマヤグアへ行くためには徒歩かラバに乗って向かわなければなりませんでした。

30年前、アントニオは放置されていた土地を引き継ぎ、この地域で最初に商業的にコーヒーを栽培した人物のひとりとなりました。

そこには丘のあちこちに、パカス、ティピカ、ブルボンのコーヒーの木が点在していました。寒さの厳しい夜にパカス種がうまく育たないことを知った彼は、この品種を取り除き、ティピカとブルボンの栽培に専念しました。

中南米の多くのティピカ種と同様に、その種子の正確な起源は不明ですが、このコーヒーは非常に独自の個性を持ち続けています。

それは明るく、クリーンで、果実味に富み、一般的に抱かれる中米のコーヒーのイメージというよりは、むしろアフリカのコーヒーを思わせる風味なのです。

アントニオはいま70歳になり、セルグアパの人口は1,500人を超えるまでに成長しました。そのうち800人がコーヒー生産者です。

現在スペシャルティ市場に向けてより良い価格で販売しているセルグアパの生産者グループは、そのうちわずか40人に過ぎません。

つまり、この地域全体の生産者のわずか3%しか、自分たちのコーヒーに持続可能な価格を得られていないのです。

その他の生産者たちは依然としてチェリーのまま販売しており、「より良い市場がある」ということに納得していなかったり、自分たちでベネフィシオ(精製所)を整えてパーチメントまで処理するための挑戦や投資に尻込みしていたりするのです。

ここでの私たちの活動が重要である理由はまさにここにあります。

───現在スペシャルティに取り組んでいる25人の生産者を支援するだけでなく、彼らの隣人や仲間たちに対して、その努力が正しく認められ、価値を持っているのだということを示すためです。

現在スペシャルティに取り組んでいる40人の生産者は、年間およそ600袋を生産しています。

そこから推定すると、このコミュニティだけでも遺伝的特性と標高によって優れた品質である可能性が高いコーヒーが、約13,000袋も存在することになります。

"Turning the Tide : Emigration and Production" ───潮目を変える:移住と生産について

アラビカコーヒーの需要増加と生産量の減少が語られるこの時代において、このような地域への投資がひとつの答えになり得ます。

私たちの取り組みが広がるにつれて、このコミュニティの人々は数年前までは信じられなかった現実 ───すなわち“地元に留まること”を目の当たりにしています。

セルグアパの住民は皆、自分自身か家族の誰かが移住した経験を持っていましたが、コーヒーが現実的な選択肢となってきた今では、「より良い暮らしを求めて去っていく」生産者の話をほとんど聞かなくなりました。

セルグアパは Semilla が最初に取り組んだコミュニティですが、現在では隣接するチャグイテ、グアスポロロ、バニャデロスのコミュニティにも購買を広げています。

これら4つの地域の中で、セルグアパが最初にスペシャルティ生産に取り組み始め、他の地域の多くの生産者にとって、私たちが最初の買い手となりました。

それぞれのコミュニティには独自の物語がありますが、共通点は深く根付いています。

どこも以前は、地元の仲買人にチェリーのまま提示された価格で売る以外の販路を持っていませんでした。

ここでの私たちの目標は、可能な限り最高の価格を支払うだけでなく、生産者たちがコーヒーの生産、販売、輸出のあらゆる側面についてさらに学んでいけるような関わり方をすることです。

多くの点で、ホンジュラスはアラビカコーヒー生産の近未来を示す顕著な例となっています。

気候変動によりコーヒーさび病が蔓延し、国全体の生産量の25%が失われました。さらに、激しい降雨や寒冷前線が高地での栽培をますます困難にしています。

小規模農家層への国内からの支援がほとんど存在しない中、私たちは彼らのニーズを最優先にし、現実的な機会を生み出す新しい仕組みを共に築いていくことに尽力しています。

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