Café Colis Resistencia
Guatemala
Café Colis Resistencia
Cafe Colis Resistencia(カフェ・コリス・レジステンシア)はAlex Reynosoによって名付けられた名称で、グアテマラ/マタケスクイントラ周辺に暮らす先住民族シンカ(Xinka)のコーヒー生産者たちを表しています。
彼らは、自分たちのコーヒーを国際市場へ届けることに関心を持ち、そのことを通じて、これまで得ることのできなかった公正な対価を受け取ることを目指しています。
“Colis”(コリス)という名前はマタケスクイントラの愛称として親しまれている呼び名です。この地域はカリフラワー(スペイン語で“coliflor”)の生産地として有名であり、その呼び名が短縮され、“Colis”と呼ばれるようになりました。
そのため Cafe Colis Resistencia という名前には、マタケスクイントラという土地への誇りと、シンカの生産者たちが自らのコーヒーを通じてより良い未来を切り拓こうとする意思が込められています。
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マタケスクイントラとその周辺地域では、人口のおよそ90%がコーヒー生産者として生計を立てています。
しかしその大半の生産者は自分たちのコーヒーを販売できる市場をほとんど持っていません。
多くの場合、収穫したチェリーを地域の仲介業者へ販売するか、あるいはコーヒーを精製して複数のロットをブレンドし、国際市場へ販売している大規模農園へ売却するしか選択肢がありません。
理論上、チェリーの買付価格はニューヨーク商品取引所(Cマーケット)のコーヒー相場を基準として決定されることになっています。
しかし実際には、その価格設定は必ずしも透明性があるわけではなく、買い手側の裁量に大きく左右されているのが現状です。
生産者たちは他に販売先をほとんど持たないため、売れる相手に売るしかなく、提示された価格を受け入れざるを得ません。
つまり、多くの生産者は価格交渉力を持たないまま、自らの労働の価値を十分に反映しない条件でコーヒーを販売し続けているのです。
もちろん、近年では状況にも変化が見られるようになっています。
昨年から今年にかけて、コーヒー市場価格は大きく上昇しました。
その背景には、気候変動による生産量の減少や物流の混乱など、複数の要因が重なっています。
私たちがこれまで何度も伝えてきたように、コーヒー価格の上昇そのものは生産者にとって歓迎すべきことです。
しかし一方で、世界的なインフレが急速に進行していることも見逃せません。
特にグアテマラでは、2023年を通じてインフレ率が10%近くまで上昇し、2024年の大半においても約5%前後の高い水準が続いていました。
そのため、多くの生産者にとって今回の価格上昇は「大きな利益」ではなく、「数字は変わったが実態はそれほど変わらない」という感覚に近いものでした。
価格上昇が現地でどのような意味を持つのかを理解するために、実際の数字を見てみましょう。
私たちは過去3年間、生産者たちから100ポンド(約45kg)のチェリーに対して115〜130ケツァルという価格で取引されていたという話を何度も耳にしてきました。
チェリーからパーチメントへの歩留まりを1:4.5 〜 1:5とすると、これはパーチメント1キンタル(100ポンド)あたり585〜650ケツァル程度に相当します。
国際価格へ換算するとおよそ 0.82USD/lb 程度です。
現在では、地域市場の価格は1,100ケツァル前後まで上昇し、高い時には1,300ケツァルに達することもあります。
しかし、それにもかかわらず、多くの場合スペシャルティ市場で得られる価格はそれほど大きく上回るものではありませんでした。
結果として、生産者が品質向上のために追加投資を行う動機は依然として限定的なままとなっています。
市場価格は上昇したものの、私たちがこの地域で活動を始めた頃から存在していた構造的な問題は今なお残り続けています。
そして、私たちが共に働くグアテマラの小規模生産者たちは、コーヒー生産に関して依然として政府から十分な支援を受けられていません。
実際のところ、グアテマラのコーヒー産業の歴史は常にヨーロッパ系あるいはメスティーソ系の大土地所有者たちによって主導されてきました。
そして、その発展の裏側には、先住民族の人々に対する強制労働が存在していました。
こうした仕組みによって、グアテマラは中米有数のコーヒー生産国としての地位を築いてきたのです。(詳細については Mandamiento System を参照してください。)
この暴力的で苦痛を伴う歴史は、現在の市場構造にもなお痕跡を残しています。
端的に言えば、現在でも大規模土地所有者や大企業が優遇される一方で、マタケスクイントラのような地域に暮らす小規模生産者たちは、資金や市場へのアクセス、支援制度などにおいて不利な立場に置かれています。
つまり、今日の独占的な市場構造は、形を変えながらも過去の歴史を引き継いでいるのです。
この独占的な市場構造は、生産者たちから持続可能な価格を実現するために必要な市場アクセスを奪っているだけではありません。
同時に、彼らが前進するために必要な技術支援や教育の機会からも遠ざけています
その結果、Cafe Colis Resistenciaのような生産者たちは、長年続けてきた「チェリー販売中心の生産」から、自らコーヒーを精製・乾燥し、マイクロロットとして販売するという非常に困難な転換に、ほとんど支援を受けることなく挑まなければなりません。
こうした支援不足を象徴する出来事として、近年、マタケスクイントラにあったANACAFÉ(グアテマラ全国コーヒー協会)の技術支援事務所が閉鎖されました。
マタケスクイントラはグアテマラ国内でも特に標高が高く、国内有数の品質ポテンシャルを持つコーヒー生産地域のひとつです。
それにもかかわらずANACAFÉは、この地域から撤退することを選択しました。その理由のひとつとして挙げられたのが、地域で続いていた鉱山開発に対する抗議運動でした。
つまり、本来であれば高品質コーヒー生産の可能性を秘めた地域であるにもかかわらず、生産者たちは市場からも技術支援からも切り離され、自力で未来を切り拓かなければならない状況に置かれているのです。